映画日記

観た映画についてつらつらと

フォレスト・ガンプ 一期一会

本日は名作振り返りシリーズ第2弾として「フォレスト・ガンプ 一期一会」について。

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あらすじは以下の通り。

 

 

知能指数が人よりも劣っていたが、母親に普通の子どもと同じように育てられたフォレスト・ガンプは、小学校で優しく美しい少女ジェニーと運命的な出会いを果たす。俊足を買われてアメフト選手として入学した大学ではスター選手として活躍。卒業後は軍隊に入り、ベトナム戦争で仲間を救って勲章をもらい、除隊後はエビ漁を始めて大成功を収める。しかし、幼い頃から思い続けているジェニーとは再会と別れを繰り返し……。

 

 

主演であるトム・ハンクスは先日観た「隣人は静かに笑う」ぶりである。

トム・ハンクスはやはり良い顔をしている。

 

映画好きなら誰もが知っているであろう本作はやはり「ショーシャンクの空に」同様いつ観ても名作として恥じぬ作品だった。

フォレスト・ガンプは彼の生き様はもちろんだが、その純真無垢な心で周囲の人に何の分け隔てなく接する姿は私含め全人類が見習うべき点である。

一体この世の中どれだけの人が彼のように生きることができるだろうか。

 

対してフォレスト・ガンプの幼馴染であり、初恋の人であるジェニーは傍から見ると彼に対して中々酷い事をしているようにも見える。

突然彼の前から姿を消したり、やっと現れたと思ったらまた消えたりと。

挙句の果てには彼と初めての一夜を過ごして翌朝には用済みかのようにまた彼の前から姿を消す始末だ。

しかしそんな彼女も彼女なりに彼の事を真剣に考えていたのだろう。

彼の真っ直ぐで温かく優しい性格が周囲の人の心を掴みどんどん人気者になっていくのに対し、自分は掲げた夢に何とか向かってはいるが思い通りにはいかずドラッグに手を出すなどして燻っていた事から彼の足枷になるのではないか、私にはもったいないのではないかと自己嫌悪に陥っていたのかもしれない。

 

しかしそんなジェニーに彼、つまりフォレスト・ガンプの子供ができ、二人は結婚することになる。

間もなく彼女は死んでしまうこととなるが両者にとってはやはりこれが最も幸せな終わり方だったのかもしれない。

 

また、フォレスト・ガンプの母親が言っていた「人生はチョコレートの箱、開けてみるまでわからない」という言葉がこの映画のテーマであり最も伝えたかった事だろう。

何事も変に考えるのではなく自分の気持ちに正直に生きる事が大事だと再認識させられる映画だった。

ナイトスイム

本日は今話題の映画「ナイトスイム」

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あらすじは以下の通り。

 

 

憧れのプライベートプールを裏庭に備えた郊外の家を購入した、元メジャーリーガーのレイとその一家。レイは難病発症によってプロ野球選手からの早期引退を余儀なく迫られたが、いまでも現役復帰を夢み、理学療法を兼ねてこの物件を選んだ。だが、長年使われていなかったこのプールに潜む謎が、一家を逃れる事の出来ない恐怖の奥底へ引き摺り込んでいく…。

 

 

巷で話題の本作。

気になって観に行ってきたのだがどうしようもなく期待外れであった。

残念。

 

これは私の持論なのだが、ホラー映画において何か得体の知れないものを恐怖の対象とする時はその対象物を明確にすると恐怖が半減してしまう気がするのだ。

どういった存在なのか、どのような姿形をしているのか、それがわからないから怖いのだ。

近いところで言うと「SMILE」もそうだ。

これも最後の最後に今まで姿を潜めていた恐怖の対象が具現化してしまい、それによってシラケてしまった。

 

「ナイトスイム」はそれがもっと序盤で出てきた為その時点で少し嫌な予感はしていたがやはり案の定であった。

 

良かった点はカメラワークが良かった。

特に母親が泳いでいる際の息継ぎのシーン等は良かった。

怖さを助長させる映し方で実際に少し怖かった。

 

あとは娘役の方が可愛くて好きだ。

ヒラリー・ガトラーという方で初耳だが今後の作品にも期待しようと思う。

 

最近観た新しい映画はどれもなかなかパッとするものが無くこれは面白い!と思えるものに出会えない。

何か面白い作品は無いだろうか。

 

隣人は静かに笑う

今日は「隣人は静かに笑う」について。

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あらすじは以下の通り。

 

 

ワシントン郊外で暮らす大学教師マイケルは、最近親しくなった隣人オリバーが偽名をかたっていることに気付く。ひそかにオリバーの身元を調べたマイケルは、オリバーが少年時代に爆破テロ未遂事件を起こしていたことを突き止める。だが、そんなマイケルの行動を知ったオリバーは、子どもの将来を考えて合法的に改名したと告白し、マイケルの親友であるFBI捜査官の調査もそれを裏付け、逆にプライバシーの侵害だと忠告され……。

 

 

面白かった。

私は性根が捻くれているのでこういうバッドエンドや胸糞悪い作品が大好物である。

有名所の「ミスト」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「ミリオンダラー・ベイビー」等も同様だ。

 

本作は先に述べた作品程のインパクトは無いがそれでも楽しめる作品だった。

ラストも救いようの無い報われない展開で終わって個人的には好みであった。

 

恐らく全てオリバーの計画という事なのだろうが一体どこから仕組まれていたのだろうか?

一番最初のオリバー達の息子が怪我をしている所からか?

それともマイケルが疑い出した頃からか?

そこら辺がよくわからないがとりあえずオリバーの企み通りだったような終わり方だった。

 

また、最初のオリバー達の息子が大怪我を負っているシーンだが、絶対今後の伏線だと注意して観ていたのだが結局そのシーンについて何も触れることなく終わったので少々期待させすぎな気もした。

 

本作は一般的にはオリバー達が悪として捉えられ、マイケルが正義だとなるのだろうがオリバー達の側から見るとこのテロ行為もまた正義の一つでただそれを全うしているだけなのだ。

戦争は正義と正義のぶつかり合いとはよく言うがテロや何かしらの犯罪もまたそのような側面があるのかもしれない。

物事を多角的に見ることが事態の理解をより深くさせるのだろう。

 

もちろんテロ行為や犯罪行為を良しとしている訳では全く無い。

 

ショーシャンクの空に

本日は言わずと知れた名作「ショーシャンクの空に」だ。

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あらすじは以下の通り。

 

 

ショーシャンク刑務所に、若き銀行の副頭取だったアンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)が、妻と間男を殺害した罪で入所してきた。最初は刑務所の「しきたり」にも逆らい孤立していたアンディだったが、刑務所内の古株で“調達係”のレッド(モーガン・フリーマン)は彼に他の受刑者達とは違う何かを感じていた。そんなアンディが入所した2年後のあるとき、アンディは監視役のハドレー主任(クランシー・ブラウン)が抱えていた遺産相続問題を解決する事の報酬として、受刑者仲間たちへのビールを獲得する。この一件を機に、アンディは刑務所職員からも受刑者仲間からも、一目置かれる存在になっていく・・・。

 

 

本作を観るのは二回目である、

最近は個人的にハズレの映画ばかり当たってしまいなかなか満足のいく作品に出会えていなかったので"名作振り返りシリーズ"と称し、過去の名作達をもう一度観返そうという事で本作はその一本目を飾ったというわけだ。

 

この作品は内容はもちろんなのだがなんと言っても素晴らしいシーンが多すぎるところが良い。

個人的に一番好きなシーンはやはりアンディーの粋な計らいで屋上で看守と囚人がビールを飲むシーンだ。

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本当なら私もビールを飲みながらそのシーンを観たかったのだが生憎映画の後運転する用事があったので泣く泣くコーラで乾杯をした。

 

他にも有名な脱獄した後の雨に打たれるシーンや、球場でアンディー待ちの長蛇の列ができるシーン、ブルックスの遺文にレッドが書き足すシーン、そして最後のアンディーとレッドの再会シーン等が挙げられる。

 

またこの映画は希望を捨てない事が大事だというメッセージが強いのだが、それをアンディーとレッドの対比で描いているところもまた良い。

何度仮釈放の面談があっても否決だったレッドは希望など持つだけ悲しくなるだけと言うのに対し、アンディーは諦めない大事さを20年間コツコツと脱獄の為の準備をして見事成功し自由の身となる事で体現した。

諦めない事が大事だというのは頭ではわかっていてもなかなかそれを続けることはできないのが普通だ。

それを20年間も続けられたアンディーはやはり凄いし気持ちの強さが現れている。

 

チープな感想にはなるがやはり名作は名作と呼ばれるだけの理由があるなと再認識させられた。

 

次はどの名作を観ようか。

 

 

余談だがモーガン・フリーマンを見る度に思うが皆の父感が毎度毎度出ててかなり好きだ。

モーガン・フリーマンの作品はいつの日か制覇したい。

 

 

回路

本日は現在YouTubeで2週間限定公開されている「回路」についてだ。

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あらすじはこちら。

 

大学生の川島亮介(加藤晴彦)は興味本位で「幽霊に会いたいですか?」と書かれたサイトにアクセスしてしまう。すると彼の身辺では奇妙な事件が起こり始め、次々よ黒い影を残して消えていく。次第に日常が崩壊していく中で、亮介は工藤ミチ(麻生久美子)と出会い、逃避しようとするのだが……。

 

 

本作は2001年に公開されたということもあり、所謂日本のホラー特有の少しセピアがかった画質になっている。

噂ではかなり怖いと聞いていたので気になって観てみたのだが正直そこまで怖くはなかった。

前半部分はかなり怖かったがその後失速していったように感じる。

 

突発的な怖さもあまり無く、ただ何か起こりそうという雰囲気や緊張感が終始続くような感じだ。

 

内容も正直あまり理解出来ず若干消化不良で終わってしまった。

 

本作を観て感じたことは2001年ってこんな昔だったのか?である。

2000年代と聞くとごく最近の様なイメージだが映像や出てくる役者、そしで風景を見るとやはり20年以上も前なのだと現実を突きつけられてしまう。

時の流れは残酷だ。

 

また、役所広司の使い方が贅沢すぎる。

メイン所を務めるのかと思いきやトータル出演時間は恐らく10分程度だったのではないだろうか。

今でこそあんな大御所だが当時はそうでもなかったのか?

いやそんなはずはないだろう。

 

何にしても個人的にはあまり好みな映画ではなかった。

機会があればまた別の黒沢作品も観てみたい。

 

Winny

今日は実話を基にした「Winny」について。

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あらすじは以下の通り。

 

 

2002年、開発者・金子勇東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発、試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。
次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光三浦貴大)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子氏逮捕の報道を受けて、急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう…。しかし、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する——。

なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか。
本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語である。

 

 

「 殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか—。」

本作のキーワードとも言えるこの言葉は私の心に深く刺さった。

SNS全盛期である現代において各SNS及びインターネットの使い方はかなり問題視されている。

 

TwitterInstagram等誰もが一度は目にしたり耳にしたりした事のあるツールは元々は普段感じた事や日常の些細な出来事等を呟いたり、お洒落な写真や動画等を載せて共有したりする為に作られたはずだが、今ではそれらが誹謗中傷に使われたり論争の場に使われたりと本来の使われ方から逸脱している事が多々ある。

これによって一人の人間を死に追いやってしまう事も少なくない。

逆に言えば直接手を下さずとも人一人を殺してしまう事もできるのだ。

ではそうなった時にTwitterInstagramを開発した人が罪に問われるのか?

答えは「否」だ。

悪いのは使い方を誤った人達だ。

 

今回のWinnyも普通に考えれば上記と同様に金子氏が逮捕される道理は無いはずだ。

ましてや有罪だなんて以ての外だ。

ではなぜ逮捕されたのか?

詳しくは明かされなかったが恐らく警察の不正が絡んでいるからだ。

そして取り調べの方法もあからさまに金子氏が悪意を持ってWinnyを作った事にしようとするものだった。

 

本作のような警察の悪事、不正な取り調べが実際に行われているということは世の中には冤罪と呼ばれるものが一体どのくらいあるのだろうと恐ろしくなる。

自分がその対象とされてしまったらもう勝つ術は無いのではないか?と不安にもなる。

 

感想を述べていなかったが本作は非常に面白かった。

東出昌大三浦貴大のコンビがかなり良かった。

壇弁護士のような人がもっと世の中に増えてくれればもっと社会は良くなるはずだ。

 

ありきたりではあるが今よりもう少しだけ皆が安心して幸せに暮らせる世の中になる事を切に願う。

関心領域

本日は「関心領域」(原題:The Zone of interest)について。

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あらすじは以下の通り。

 

アウシュヴィッツ収容所と壁ひとつ隔てた隣に暮らす1組の家族。彼らが穏やかで幸せな日常を過ごす一方で、収容所のおぞましい実態が明らかになっていく。

 

 

「ミッドサマー」や「X」でお馴染みA24からの作品だ。

最近やたらとインスタやTwitterで見るので気になって映画館に足を運んだ。

 

あらすじからホロコーストっぽい映画かなと予想はしていたが、良い意味でも悪い意味でも見事に裏切られた。

まずホロコーストにありがちな痛ましい虐殺シーンや拷問シーン等は無かった。

いや、無いと言ったら嘘になる。

直接的な描写が無かったと言った方が正しい。

 

ではどう表現するのか?

それは「音」だった。

壁一枚隔てた向こう側からユダヤ人達の悲鳴や呻き声、看守の怒号等が場面場面で聞こえてくる為嫌でもそういったシーンを想起してしまう。

直接的なシーンを観せずにイメージさせる点は新しいなと感じた。

「音」と言えば、劇中の音楽も非常に良かった。

重く不気味で、何とも言えない嫌悪感、不安を呼び起こすようなそんな音楽が場面場面で流れ、ここから何か起きるのではないかと視聴者を構えさせる。

実際には何も無いためただ怖いだけなのだが。

 

また、カメラワークも定点カメラのみで主人公達家族を映し出している。

本当にただの日常を我々視聴者が覗いているような感覚だ。

 

上記のように展開されるため物語は単調で、人によっては途中で退室してしまうかもしれない程だ。

最後まで観てもやはり結局何だったんだとなる方が多いかもしれない。

実際私も一緒に行った友人も首を傾げながら帰路に着いた。

 

結局何を伝えたいのかははっきりわからなかったがタイトルから察するに戦争や差別、もっと身近な所でいくとイジメ等に無関心な事が最も悪で助長させてしまうものだという事を伝えたかったのかもしれない。

単なる私の憶測に過ぎないが。